和歌メモ……藤の花(大伴家持)
大伴家持の藤の花の歌。 大伴宿禰家持、時じきの藤の花と萩の黄葉(もみぢ)の二物(ふたくさ)を攀(よ)じて、坂上大嬢に贈れる歌二首 わが屋戸(やど)の時じき藤のめづらしく今も見てしか妹が咲容(ゑまひ)を (わがやどの ときじきふじの めずらしく いまもみてしか いもがえまいを 大伴家持 万葉集 1627 天平11年 【ねこたま意訳】 しばらく会えなかったけど、元気だった? うちの庭に、季節はずれの藤の花が咲いたんだ。 萩の花なんかすっかり散って、葉も黄色くなってるのに、いまごろ藤が咲くなんて、不思議だよね。 春に咲く藤の花と、秋の終わりの萩のもみじ。 違う季節のものでも、奇跡が起きて、巡り合うこ…